ボーカルとベースの二人組という珍しい組み合わせのバンド、『黒夢』。
ヴィジュアル系にカテゴライズされるイメージがありますが、その音楽性はアルバムをリリースする度にガラッと変わっており、一つのジャンルで括ることはなかなかに難しいバンドです。
今回は、『黒夢』の楽曲、『FASTER BEAT』のレビューです。
※『黒夢』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/黒夢
『FASTER BEAT』の全体概要
基本情報
アーティスト | 黒夢 |
曲名 | FASTER BEAT |
演奏時間 | 2:25 |
作詞 | 清春 |
作曲 | 清春 |
編曲 | 黒夢 & 土方隆行 |
演奏時間2分台の楽曲が数多く収録されているアルバム『CORKSCREW』の中でも、本作『FASTER BEAT』が最も演奏時間の短い楽曲です。
『FASTER BEAT』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
CORKSCREW | 2 |
メジャー6thアルバム『CORKSCREW』の2曲目に収録。
※『FASTER BEAT』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
短い演奏時間にパンクな音楽と反抗的な詞を詰め込んだ1曲、『FASTER BEAT』。
パンクなバンド隊の中でも特にベースの勢いがすごいです。ベースの音をよく”ボンボン”という効果音で表現しますが、本作『FASTER BEAT』の場合は“ゴトゴト”というほうが実際の音に近い感じがします。
こういった”短い演奏時間”、”パンクな音楽”、”反抗的な詞”、”ゴトゴトベース”といった部分はアルバム『CORKSCREW』に共通した特徴ですね。この辺りの特徴に痺れられるかどうかが本作『FASTER BEAT』、ひいてはアルバム『CORKSCREW』を楽しめるかどうかのカギになっていると言えそうです。
ところで、本作『FASTER BEAT』、曲名を直訳すれば”より速いビート”というところでしょうか。曲名に使われている「FASTER」という単語は”fast(速い)”の比較級です。中学生のときに習ったやつですね。”fast”-“faster(比較級)”-“fastest(最上級)”という形容詞の変形の一つです。
ただ、この”fast”-“faster”-“fastest”という関係、単に右に行けばいくほど程度が強くなるというわけではありません。FFでいうところの”ケアル”-“ケアルラ”-“ケアルガ”の関係とは似ているようで違うというわけです。
すごくシンプルな例を出します。
例えば、BPM50とBPM60の楽曲があったとしましょう。この数字はどちらもバラードなんかで使われるくらい遅いビートです。決して”fast”なビートではありません。むしろ”slow”です。しかし、BPM50とBPM60を比較すると、BPM60は“faster”なビートではあるんです。
つまり、”fast”ではないけど”faster”ではある、という状況はあり得るのです。この場合、”fast”-“faster”を”ケアル”-“ケアルラ”の関係だと理解していると、ちょっと誤解してしまう可能性がありますね。
…なんだか英語の授業みたいになっていしまいました 笑。
別に屁理屈をこねたかったわけではありません。
むしろ、本作『FASTER BEAT』はこんな理屈っぽいことを頭の中から抹消して聴くべき楽曲です 笑!
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『FASTER BEAT』収録アルバムレビューリンク
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