ボーカルとベースの二人組という珍しい組み合わせのバンド、『黒夢』。
メジャーデビュー時はボーカル、ベース、ギターの3人構成だったのですが途中でギターの臣が脱退。その後はメンバー補充することなくボーカルの清春とベースの人時の二人で活動していくことになります。2010年の復活後もその体制は変わっていません。
今回は、『黒夢』の楽曲、『for dear』のレビューです。
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『for dear』の全体概要
基本情報
アーティスト | 黒夢 |
曲名 | for dear |
演奏時間 | 4:41 |
作詞 | 清春 |
作曲 | 臣 |
編曲 | 黒夢 |
記念すべき『黒夢』のメジャー1stシングル。
『for dear』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
迷える百合達〜Romance of Scarlet〜 | 3 |
黒夢シングルズ | 1 |
黒夢コンプリート・シングルズ (A-disc) | 1 |
メジャー1stアルバム『迷える百合達〜Romance of Scarlet〜』の3曲目に”album version”にて収録。
※『for dear』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
ナルシスティックな旋律を奏でるギター、本作『for dear』の聴きどころについて言えばやはりここを取り上げたいです。
楽曲が始まって一番最初に耳に飛び込んで来るのがイントロのギターフレーズなわけですが、これがもう最高に心を震わせてくれます。
ハイスピードなBPMの上で奏でられる歌謡曲的な雰囲気のある旋律と言いましょうか、疾走感はあるのにしめった感情がたっぷり乗っかっているという、やたら日本人の心に沁みるフレーズなのです。
“ヴィジュアル系”という分類の仕方をするといろいろな議論を巻き起こしてしまうかもしれませんが、本作『for dear』のナルシスティックなギターフレーズは後のヴィジュアル系バンドに多大な影響を与えたように思います。
『X JAPAN』のメタル的ズクズクよりも、『LUNA SEA』の複雑なツインギターアンサンブルよりも、疾走感と哀愁をたっぷり含んだ旋律で聴かせるこの『for dear』的ギターこそザ・ヴィジュアル系のギターという感じがします。
『ゴールデンボンバー』に『†ザ・V系っぽい曲†』というタイトルそのまんまの楽曲がありますが、この曲で聴けるイントロのギターフレーズはやっぱり『for dear』っぽいですもん。
鬼才鬼龍院翔もV系のステレオタイプっぽいギターと言うことで『黒夢』の本作『for dear』を思い浮かべたんじゃないでしょうか…。
つまるところ、本作『for dear』のギター旋律には一つの音楽ジャンルを定義付けるほどの個性と魅力があるということです。
少なくとも、私はそう思っています。
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『for dear』収録アルバムレビューリンク
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