ボーカルとベースの二人組という珍しい組み合わせのバンド、『黒夢』。
メジャーデビュー時はボーカル、ベース、ギターの3人構成だったのですが途中でギターの臣が脱退。その後はメンバー補充することなくボーカルの清春とベースの人時の二人で活動していくことになります。2010年の復活後もその体制は変わっていません。
今回は、『黒夢』の楽曲、『カマキリ』のレビューです。
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『カマキリ』の全体概要
基本情報
アーティスト | 黒夢 |
曲名 | カマキリ |
演奏時間 | 3:23 |
作詞 | 清春 |
作曲 | 人時 |
編曲 | 黒夢 & 佐久間正英 |
初出はアルバム『feminism』の収録。
その後、10thシングル『Spray』のカップリング曲に”-1997 BURST VERSION-“として再録されました。
『カマキリ』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
feminism | 12 |
EMI 1994〜1998 BEST OR WORST 【HARD DISK】 | 13 |
黒夢コンプリート・シングルズ (B-disc) | 11 |
アルバム『feminism』の12曲目に収録。
『EMI 1994〜1998 BEST OR WORST』、『黒夢コンプリート・シングルズ』には『Spray』のカップリング曲となった”-1997 BURST VERSION-“が収録されています。
※『カマキリ』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
所属レーベルの東芝EMIを強烈に皮肉った1曲が本作『カマキリ』。
とにかく『カマキリ』という4文字の曲名が非常に印象的ですよね。初出はアルバム『feminism』ですが、ずらっと並んだアルバム収録曲名の中でもひときわ存在感のある字面です。
『カマキリ』という4文字を見ると、嫌でもあの攻撃的でグロテスクな昆虫の姿が頭に浮かんできます。このように、”文字を見ただけで具体的なイメージが描かれる”というのが『カマキリ』という曲名の印象深さの理由でしょうか。
そんな本作『カマキリ』、曲中では”大事なものを無慈悲に奪い去っていく存在”として描かれています。
楽曲の端々で匂わされている商業主義への嫌悪感から、『カマキリ』=”東芝EMI”の比喩と考えるのが妥当でしょう。そんな『カマキリ』の「獲物」は”『黒夢』の楽曲”といったところでしょうか。
大切な楽曲を商業主義的都合で振り回す東芝EMIを「獲物」をむさぼる『カマキリ』として例える皮肉。本作『カマキリ』にはそんな訴えが込められているように思います。
本作『カマキリ』ですが、アルバム『feminism』のリリースから約2年後、”-1997 BURST VERSION-“として10thシングル『Spray』のカップリング曲に再録されました。
こちらは『カマキリ』という文字の持つ強烈な印象をそのまま音にしたかのような、手加減抜きの攻撃性を楽しめます。そういう意味では、”-1997 BURST VERSION-“の方が原曲よりも”『カマキリ』らしい”と言えるかもしれませんね。
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