個別楽曲レビュー

【個別楽曲レビュー】PIERROT/鬼と桜

投稿日:2018年10月14日 更新日:

宗教的なカリスマ性中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。

アンダーグラウンドで知的で過激。当時の10代リスナーはある種の選民思想を抱きながら『PIERROT』の楽曲に耳を傾けていたのではないでしょうか。”『PIERROT』を聴かないなんて周りはわかってないなぁ”って。

…それは後の世で中二病と呼ばれるわけですが…。

今回は、『PIERROT』の楽曲、『鬼と桜』のレビューです。

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

cherry-blossom

『鬼と桜』の全体概要

基本情報

アーティストPIERROT
曲名鬼と桜
演奏時間5:42
作詞キリト
作曲キリト
編曲Pierrot & 奈良敏博

『鬼と桜』収録アルバム

アルバム名トラック#
CELLULOID5
DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-6

インディーズ時代のミニアルバム、『CELLULOID』の5曲目に収録。

そして再録ベストアルバムの『DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-』には6曲目に収録されています。

こちらは『CELLULOID』版と異なり、冒頭に新たなイントロが追加されています。

※『鬼と桜』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

和の艶やかさを織り交ぜながらも激しい曲調がかっこいい1曲、『鬼と桜』。

和っぽいギターシンセの音とメロディーが強い印象の輪郭を描きながらも、その裏では叩きつけるような歪んだギターのコードが鳴り響き、手数の多いドラムが躍動感あるリズムを演出。

そんなかっこよすぎるイントロに、いつも痺れてしまいます!

このかっこいいイントロの派手さに比べると、サビの印象は少々弱いかもしれません。あまりキャッチーではない、淡々としたサビのように感じます。

ただ、サビのボーカルの空白を縫うように左チャンネルから聴こえるギターフレーズがとても私の好みですので、これはこれで全然アリなんですよね。

本作『鬼と桜』のテーマは”輪廻転生”なのでしょうかね。そのせいか、歌詞の世界観は非常に仏教的

一方で、Bメロに「鎌を持つ使者」が登場するのですが、これはいわゆる”死神”を指していると思われます。大きな鎌を持ち、黒い頭巾をかぶった骸骨のあれかと。

ただ、あれって西洋の死神ですよね?仏教的世界観に登場するキャラクターとしてはちょっと違うような気もしますが…どうなんでしょう。単に私の解釈が間違っているだけかもしれません。

いずれにせよ、主人公が輪廻転生を経る中で辿り着いた「浄化の果て」。その光景の皮肉さはなかなか素敵です。

アルバム『CELLULOID』の1曲目『セルロイド』では”人間は他の生物を見下している”ような描写をしておきながら、同アルバム収録の『鬼と桜』に登場する人間は「虫ケラの様に」交わっているわけですからね。しかも「浄化の果て」で。

まさに「滑稽な姿」です。

『鬼と桜』収録アルバムレビューリンク

※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT

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執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。