伝説のミュージシャン…その言葉が最も似合う日本人は、やはり『hide』ではないでしょうか。
カリスマバンド『X JAPAN』のギタリストというポジション、トレードマークの赤髪、ズバ抜けたセンス、そして若くして迎えてしまった死…。
『hide』を聴いたことがある人なら、おそらく誰しも思ったんじゃないでしょうか、”今も生きてたら、どんなことして楽しませてくれてたんだろう”って。
今回は、『TELL ME』のレビューです。
※『hide』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/hide
『TELL ME』の全体概要
基本情報
アーティスト | hide |
曲名 | TELL ME |
演奏時間 | 4:43 |
作詞 | hide |
作曲 | hide |
編曲 | hide |
4thシングルの表題曲。
また、2000年に”hide with Spread Beaver版”として再録されたものがリリースされています。
『TELL ME』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
HIDE YOUR FACE | 13 |
hide BEST 〜PSYCHOMMUNITY〜 | 16 |
hide SINGLES 〜Junk Story〜 | 4 |
We Love hide 〜The Best in The World〜 (DISC 1) | 3 |
1stオリジナルアルバム『HIDE YOUR FACE』の13曲目に収録。
※『TELL ME』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
1stアルバム『HIDE YOUR FACE』収録という『hide』のソロ活動初期の楽曲であり、当アルバムの中では最も聴きやすい1曲、『TELL ME』。
イントロなんかで聴こえるクリーンギターは初期の『黒夢』や『LUNA SEA』を髣髴とさせる音ですね。90年代前半のV系サウンドの香りがしますが、『黒夢』や『LUNA SEA』ほど攻撃的な感じはしません。
あの『X』のギタリストがこういった曲をリリースするってのは、当時意外だったんじゃないでしょうか。
『TELL ME』、直訳すれば”教えて”という意味です。この楽曲では”僕のことを教えて”と歌っています。自分では自分の姿が見えないと。
物理的にはそうですよね。鏡を使えば自分の姿を確認することはできるでしょうが、その鏡を見ているのは紛れもない“自分の目”なわけで。つまり、自分にとって都合のいいフィルターをかけた形で自分を見てるだけあり、結局自分の見たいようにしか見えていないはず。
だから、”君に僕がどう見えているのか教えてくれ”と歌っているんだと思います。
君に見えている僕、それが真の自分の姿なんだろうと。
スマホの登場で自分で自分を撮影することが簡単になりました。自撮りとかセルフィとかいうやつですね。これの良さって、自分で納得いくまで撮影と消去を繰り返せることだと思うんです。
ただ、その”納得いく”の基準は鏡に映った自分にどれだけ近いのかってところにあるんじゃないかなと思います。つまり、自分にとって都合のいいフィルターをかけて見た自分の姿。
まぁ、せっかく写真として残すなら良い感じで映ったものを残したいのはわかります。私だってそうです。
ただ、真の自分の姿は、自分の目で見た鏡に映った自分じゃなくて、他人の目で見たときの自分の姿なんじゃないのと。本作『TELL ME』はそんなことを思い出させてくれる1曲ですね。
『TELL ME』収録アルバムレビューリンク
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