女性ボーカルに男性楽器隊という編成で平成の日本音楽史に数々のヒットソングを送り込んだバンド『JUDY AND MARY』。
1993年のメジャーデビュー後、6枚のオリジナルアルバムを残して2001年に解散しました。『JUDY AND MARY』と同時期に解散した多くのバンドが再結成を遂げ続ける中、このバンドは復活の気配すら感じられないまま今に至っています。
今回は、『JUDY AND MARY』の楽曲、『Over Drive』のレビューです。
※『JUDY AND MARY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/JUDY AND MARY
『Over Drive』の全体概要
基本情報
アーティスト | JUDY AND MARY |
曲名 | Over Drive |
演奏時間 | 4:21 |
作詞 | YUKI |
作曲 | TAKUYA |
編曲 | JUDY AND MARY |
『JUDY AND MARY』の7thシングル。
『JUDY AND MARY』は本作『Over Drive』で初めてオリコンシングルチャートTOP10入りを果たしました。
『Over Drive』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
MIRACLE DIVING | 2 |
FRESH | 8 |
The Great Escape -COMPLETE BEST- (DISC 01) | 1 |
COMPLETE BEST ALBUM「FRESH」 (DISC 01) | 8 |
メジャー3rdアルバム『MIRACLE DIVING』の2曲目に収録。
※『Over Drive』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
『JUDY AND MARY』のシングルの中ではミリオンヒットを記録した『そばかす』に次ぐ売上枚数を誇る楽曲『Over Drive』(約67万枚)。このシングルで初めてオリコンシングルチャートTOP10入りを果たします。
本作『Over Drive』は『JUDY AND MARY』というバンドが商業的に大きく飛躍するきっかけとなった楽曲と言えますね。
しかし、この快挙を成し遂げたのがこれまでメインコンポーザーを務めてきたリーダー恩田快人の作品ではなく、なんと『JUDY AND MARY』に最後に加入したメンバーであるTAKUTAの作品でした。
後で振り返ってみると、このTAKUYA作曲の『Over Drive』のヒットが、『JUDY AND MARY』というバンドにとって大きなターニングポイントとなったのではないでしょうか。
本作『Over Drive』、『JUDY AND MARY』特有の”子供っぽさ”と”大人っぽさ”の同居した雰囲気はそのままですが、この楽曲のリリースあたりからTAKUYAのギターの演奏が変わってきているように思います。
これまでのギターはバンド全体のサウンドの中で調和するような演奏という印象でしたが、本作『Over Drive』以降、TAKUYAのギターは動きの多いファンクな演奏へと変貌しているように感じるんですよね。この楽曲で言えば、2回目Aメロの右チャンネルで聴けるギターなんかがまさにそんな感じ。
つまるところ、”YUKIのかわいらしくてパワフルなボーカル”と、”TAKUYAのめちゃくちゃに動き回るギター”の組み合わせという、我々のイメージする『JUDY AND MARY』の形が出来上がったのが本作『Over Drive』なのだと思います。
本作『Over Drive』は単体で聴いてももちろん素敵なのですが、この楽曲が『JUDY AND MARY』のターニングポイントという立ち位置になっていることを考慮すると、ベストアルバム『COMPLETE BEST ALBUM「FRESH」』の中で聴いてみるのもオススメです。
この『COMPLETE BEST ALBUM「FRESH」』は歴代のほとんどのシングルがリリース順に並んでいますので、1stシングルの『POWER OF LOVE』から通して聴いてみると、『Over Drive』に差し掛かる辺りで楽曲のサウンドに変化が感じられておもしろいですよ。
Amazonで試聴できます。
『Over Drive』収録アルバムレビューリンク
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