ボーカルとベースの二人組という珍しい組み合わせのバンド、『黒夢』。
ヴィジュアル系にカテゴライズされるイメージがありますが、その音楽性はアルバムをリリースする度にガラッと変わっており、一つのジャンルで括ることはなかなかに難しいバンドです。
今回は、『黒夢』の楽曲、『TELL』のレビューです。
※『黒夢』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/黒夢

『TELL』の全体概要
基本情報
アーティスト | 黒夢 |
曲名 | TELL |
演奏時間 | 3:47 |
作詞 | 清春 |
作曲 | 人時 |
編曲 | 黒夢 & 土方隆行 |
『TELL』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
CORKSCREW | 7 |
メジャー7thアルバム『CORKSCREW』の7曲目に収録。
※『TELL』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
高速で攻撃的な楽曲が多数収録されているアルバム『CORKSCREW』の中、珍しくミディアムテンポな作りになっている楽曲が本作『TELL』。
本作『TELL』、アルバム『CORKSCREW』収録曲の中では特にギター演奏にこだわっている感じがします。
他のアルバム『CORKSCREW』収録曲は高速で攻撃的なパンクというジャンルの性格上、コードをかき鳴らすタイプのギター演奏が多く、フレーズを聴かせるギターは積極的に取り入れられているというわけではないんですね。
一方、本作『TELL』はミディアムテンポなリズムに乗せて“フレーズ的なギター演奏”を楽しむことができます。イントロなどで聴けるこのギターフレーズ、休符を交えたリズミカルなフレーズになっており、ミディアムテンポでも退屈することない色どりを楽曲に与えてくれています。
ところで、本作『TELL』、歌詞という視点で見ると、「正直」という言葉がキーワードになっているように思います。曲中の3度のサビ、いずれにも登場する言葉です。
“正直者が馬鹿を見る”ということわざがありますが、本作『TELL』ではこのことわざのような意味合い、方向性で「正直」という言葉が用いられています。そのまま「バカを見る」という表現も歌詞に使われていますね。
ただ、曲中で「正直」者を馬鹿にしているわけではなく、むしろ、バカを見る正直者を肯定する内容が歌われているのが特徴的です。ずばり肯定する表現が歌詞中にあるわけではないのですが、言葉の端々からそういうニュアンスが伝わって来るのではないでしょうか。
反抗期の少年のようなアルバム『CORKSCREW』と、「正直」をキーワードにした本楽曲『TELL』。
“反抗期の少年”と「正直」という言葉は一見すると対立する概念のようですが、私個人としてはこの二つの要素はどちらも密接に関係している言葉のような印象を持っています。「正直」故に世間の矛盾に嫌悪感を隠せず、結果、“反抗”する…といった感じの関係性。
そういう意味で、本作『TELL』はアルバム『CORKSCREW』になくてはならない一つのピースのように思う次第です。
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