日本を代表する説明不要のロックバンド、『L’Arc〜en〜Ciel』!
かっこいい楽曲に加え、時々垣間見られるちょっとした遊び心が長い人気の秘訣ではないでしょうか。もちろん、ボーカルhydeの美貌によるカリスマ的な影響力もすごいものがありますが。
今回は『White Feathers』の個別楽曲レビューです。
※『L’Arc〜en〜Ciel』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/L’Arc〜en〜Ciel
『White Feathers』の全体概要
基本情報
アーティスト | L’Arc〜en〜Ciel |
曲名 | White Feathers |
演奏時間 | 7:58 |
作詞 | hyde |
作曲 | ken |
編曲 | L’Arc〜en〜Ciel |
アルバム『Tierra』収録曲の中で最も演奏時間の長い楽曲で、その演奏時間は8分に迫ります。
『White Feathers』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
Tierra | 10 |
TWENITY (1991-1996) | 6 |
オリジナルアルバム『Tierra』の10曲目に収録。
本作『White Feathers』がアルバム『Tierra』の最終トラックになります。
※『White Feathers』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
アルバム『Tierra』のラストを飾る1曲、『White Feathers』。「彼」が空中浮遊を試みるも失敗して落下する、そんな様子を描いた楽曲です。
アルバム『Tierra』の1曲目『In the Air』では「君」が空中浮遊する様子を歌っていたことを考えると、アルバムの最初と最後にみごとな対比が作られていることがわかりますね。
せっかく『In the Air』を引き合いに出したので、本作『White Feathers』と『In the Air』の対比をもう少し深堀してみましょう。
『In the Air』では”空中浮遊”を描いていると上述しましたが、この描写を“死後の世界への旅立つ様子”として解釈する見方もあるのではと思っています。“空中浮遊する「君」に見とれる「僕」”という立ち位置を“死後の世界へ旅立つ「君」を見ている「僕」”と捉えるという考え方ですね。
詳しくはこちら↓。
この解釈を整理すると、”空=死後の世界”、”大地=現世”という視点に立っていることに気づきます。
この視点に基づいて、改めて『White Feathers』を解釈してみるとどうでしょう?
まず、『White Feathers』の楽曲中で「彼」が試みる空中浮遊ですが、これは“自らの手で死後の世界へ向かう行為”と捉えられるのではないでしょうか。”空=死後の世界”と考えれば、”空中浮遊を試みる”という言葉の意味はそこへ行きつきます。
そんな行為を取る動機は1番Aメロ最後のフレーズの内容ですね。「彼女」への「想い」です。おそらく『In the Air』で描かれた”死後の世界へ旅立った君”のことでしょう。
「彼」が試みる空中浮遊についての解釈まとめると、“死後の世界へ旅立った「彼女」を追い、自分もそちら側へ行こうと試みる”と言えそうです。
おもしろいのは、その試みの結末です。
『White Feathers』では「彼」の空中浮遊は失敗し、落下する様子までを描いています。
“空=死後の世界”、”大地=現世”という視点で見ると、落下(大地に墜落する現象)とは“現世に引き戻される”ことと言えるのではないでしょうか。つまり、「彼」は死後の世界へはたどり着けず、結局現世に存在したまま…という解釈です。
上述の内容を総合すると、“死後の世界へ旅立った「彼女」を追おうとするもその試みは失敗し、未だ現世で生き続けてしまっている男の様子”を描いた楽曲というのが、本作『White Feathers』に対する私の解釈です。
どうでしょう?考えすぎですかね 笑?
ただ、この解釈に基づくと、『In the Air』や『White Feathers』が収録されたアルバムになぜ『Tierra』(スペイン語で”大地”)という名前を与えたのか、その理由にも近づけるような気がするのです。
Amazonで試聴できます。
『White Feathers』収録アルバムレビューリンク
※『L’Arc〜en〜Ciel』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/L’Arc〜en〜Ciel