女性ボーカルに男性楽器隊という編成で平成の日本音楽史に数々のヒットソングを送り込んだバンド『JUDY AND MARY』。
1993年のメジャーデビュー後、6枚のオリジナルアルバムを残して2001年に解散しました。『JUDY AND MARY』と同時期に解散した多くのバンドが再結成を遂げ続ける中、このバンドは復活の気配すら感じられないまま今に至っています。
今回は、『JUDY AND MARY』の楽曲、『PEACE』のレビューです。
※『JUDY AND MARY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/JUDY AND MARY
『PEACE』の全体概要
基本情報
アーティスト | JUDY AND MARY |
曲名 | PEACE |
演奏時間 | 5:54 |
作詞 | Tack and Yukky |
作曲 | TAKUYA |
編曲 | TAKUYA |
初出はアルバム『WARP』。
後に”-string version-“となり22ndシングルとしてリリースされました。これが『JUDY AND MARY』のラストシングルです。
『PEACE』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
WARP | 5 |
COMPLETE BEST ALBUM「FRESH」 (DISC 02) | 10 |
メジャー6thアルバム『WARP』の5曲目に収録。
『COMPLETE BEST ALBUM「FRESH」』にはシングルカットされた”-string version-“で収録。
※『PEACE』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
本作『PEACE』の第一印象はまさかのTAKUYAボーカル、これに尽きるのではないでしょうか。
コーラスだけでなく、YUKIを差し置いてがっつりソロで歌う部分が2番Aメロにあるのですが、初めて聴いたときはマジかよという感じでした 笑。
『GLAY』にも『SHUTTER SPEEDSのテーマ』というTERU以外がボーカルを取る有名な楽曲があります。
ただ、『JUDY AND MARY』の本作『PEACE』は女性ボーカルが突如男性ボーカルに変わるので、不意打ち度は『PEACE』の方が上ですね 笑。
ちなみに、後に”-string version-“としてシングルカットされた方にはこのTAKUYAソロボーカルパートは入っていません。TAKUYAソロ有りの『PEACE』を聴きたければ、オリジナルアルバムの『WARP』の方をお試しください。
しかしながら、ここまでTAKUYA色に染まった楽曲が『JUDY AND MARY』のラストシングルという事実が、このバンドの結末を全て物語っているように思います。
『JUDY AND MARY』はメインコンポーザーがリーダーの恩田快人からTAKUYAに移り変わっていきました。ラストアルバム『WARP』に至っては編曲も全てTAKUYA一人という権限の委譲っぷり。
ラストシングルの『PEACE』は”-string version-“とついている通り、もはやバンドサウンドではありません。ボーカルのYUKI+プロデューサーのTAKUYAという形でできあがった楽曲と言っても過言ではないでしょう。
もちろん、こんな結末になってしまったのは誰のせいなのか、それは私にはわかりません。TAKUYAのワンマンっぷりに周りのメンバーが嫌になったのか、はたまた他のメンバーにやる気がないからTAKUYAがワンマンにならざるを得なかったのか、それとも全く別の理由か…。
いずれにせよ、本作『PEACE』は『JUDY AND MARY』が死んでいることを確認できる1曲で間違いないと思います。
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『PEACE』収録アルバムレビューリンク
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