ボーカルとベースの二人組という珍しい組み合わせのバンド、『黒夢』。
メジャーデビュー時はボーカル、ベース、ギターの3人構成だったのですが途中でギターの臣が脱退。その後はメンバー補充することなくボーカルの清春とベースの人時の二人で活動していくことになります。2010年の復活後もその体制は変わっていません。
今回は、『黒夢』の楽曲、『S・A・D』のレビューです。
※『黒夢』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/黒夢
『S・A・D』の全体概要
基本情報
アーティスト | 黒夢 |
曲名 | S・A・D |
演奏時間 | 3:09 |
作詞 | 清春 |
作曲 | 清春 |
編曲 | 黒夢 & 佐久間正英 |
2ndシングル『ICE MY LIFE』のカップリング曲。
『S・A・D』収録アルバム
アルバム名 | トラック# |
EMI 1994〜1998 BEST OR WORST 【HARD DISK】 | 3 |
黒夢コンプリート・シングルズ (B-disc) | 2 |
カップリング曲ながら、いくつかのベストアルバムに収録されています。
※『S・A・D』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。
レビュー
2ndシングル『ICE MY LIFE』のカップリング曲である本作『S・A・D』。
後に清春が『SADS』という本作と似た名前のバンドを結成しますが、おそらく曲名とバンドには何の関係もないものと思われます。
2ndシングルA面の『ICE MY LIFE』が聴きやすい歌モノであったのに対し、カップリング曲の本作『S・A・D』はかなり攻撃性の高いパンクな作品に仕上がっています。
この”一般受けしそうなA面”と”一般受けしなさそうなカップリング”という組み合わせは、1stシングルの『for dear』と『& Die』の関係と同じですね。
『黒夢』の”攻撃性の高いパンクな楽曲”というと、活動停止前のアルバム『CORKSCREW』辺りを思い浮かべるところでしょうか。
確かに本作『S・A・D』もアルバム『CORKSCREW』も攻撃性の高さという点では共通しています。
しかし、どちらも『黒夢』というバンドの攻撃的な作品とは言え、リリース時期が異なる『S・A・D』と『CORKSCREW』収録曲とでは、やはり聴き心地は異なります。もちろん、サウンドの洗練度という意味でも異なるのですが、攻撃性の種類という面でそれぞれに大きな違いを感じます。
乱暴に表現すると、『CORKSCREW』は“反抗期の少年のような攻撃性”、『S・A・D』は”エログロ的世界観”をベースとした“サディズム的な攻撃性”と言ったところでしょうか。
さらに乱暴に表現すると、『CORKSCREW』は“ヤンキー受けする攻撃性”、『S・A・D』は“キレたら怖いタイプのオタクに受ける攻撃性”と言えるかもしれません。…言えないか 笑。
ただ、『S・A・D』のようなデビュー当初の『黒夢』と『CORKSCREW』をリリースしたような活動停止前の『黒夢』とではリスナーの層がけっこう違うんじゃないかとは思っています。
それくらい、それぞれの攻撃性の種類が違います。
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