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【個別楽曲レビュー】ゲスの極み乙女。/ノーマルアタマ

投稿日:2017年12月26日 更新日:

2014年メジャーデビューの後、2015年に紅白歌合戦へ出演と、国民的なバンドへ成長していた矢先、例の不倫事件で世間のイメージが急降下してしまったバンド、『ゲスの極み乙女。』。

以降、あまり良くないイメージを払拭しきれないところはありますが、おしゃれなサウンドに乗せたラップとキャッチーなサビを持つ、当バンドの楽曲の魅力は色褪せません。

いつかもう一度、年末の晴れ舞台へ立つことはできるのか…!?

今回は、『ノーマルアタマ』の個別楽曲レビューです。

※『ゲスの極み乙女。』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/ゲスの極み乙女。

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『ノーマルアタマ』の全体概要

基本情報

アーティストゲスの極み乙女。
曲名ノーマルアタマ
演奏時間3:57
作詞川谷絵音
作曲川谷絵音
編曲?

『ノーマルアタマ』収録アルバム

アルバム名トラック#
みんなノーマル4

『ゲスの極み乙女。』メジャー1stミニアルバム(インディーズも含めると3rdミニアルバム)『みんなノーマル』の4曲目に収録。

※『ノーマルアタマ』が収録されているアルバムのレビューもしています。こちらからどうぞ。

レビュー

曲名から察するに、本作が収録されているミニアルバム『みんなノーマル』の中核を成す1曲。曲中でも「みんなノーマル」って歌ってますしね。

しっかりMVも用意されており、アルバム『みんなノーマル』のジャケットを匂わせる演出もされています。

リズミカルでメロディアスなイントロで幕を開け、展開される癖のないAメロとサビ。Aメロが1番と2番で全く違う歌メロになっているところには、さすが『ゲスの極み乙女。』の楽曲らしいこだわりを感じられます。

癖のない曲と言う意味で、本作『ノーマルアタマ』はこのバンドの楽曲としてはとっつきやすい部類に入るかと思います。

ただ、癖がないというのは、逆に言えばパンチに欠けているとも言えます。

サビの覚えやすさや中毒性の観点で見ると、同アルバム『みんなノーマル』収録曲の『パラレルスペック』に軍配が上がるのではないでしょうか。

曲の内容の方ですが、曲名通りノーマルな周囲に対する不満を歌っています。

こういった“周囲と食い違う自分”というテーマは、太宰治の人間失格に通じるものを感じており、けっこう好きなのですが、本作『ノーマルアタマ』はテーマを掘る深さがちょっと甘いかなという気がしてしまいます。

太宰治の人間失格は、”自分が周囲と違うのは、自分に欠陥があるからだろう”という視点で物語が進むのですが、本作『ノーマルアタマ』は“自分が周囲と違うのは、周囲の頭が悪すぎる”という視点になっているんですよね。特に、最後のサビ前の語りなんかで、それを顕著に感じます。

別に、その視点が悪いわけでは無いんですが、自分が周囲と違うことに対する責任を自分以外に押し付けて終わりって感じがして、深みを感じられないのが残念。

まぁ、これはポップミュージックですから、大層な世界観を求めるのがそもそもの間違いかもしれません。

4分弱の時間をそれなりに楽しめればそれでポップミュージックの役割を全うできていると考えれば、本作『ノーマルアタマ』は十分いい曲です。

『ノーマルアタマ』収録アルバムレビューリンク

※『ゲスの極み乙女。』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/ゲスの極み乙女。

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執筆者:キャスター
中高生の頃、中古のCD屋巡りばっかりやってました。そんなアラサー会社員キャスターによる音楽レビューブログ。 昔趣味で曲作りをやっていたので、音楽制作者に敬意を払って1曲1曲丁寧に記事を書いていきます。