90年代後半、音楽業界の様々な記録を塗り替えていったモンスターバンド『GLAY』。
『GLAY』の商業的全盛期はTAKUROがメインコンポーザーとしてシングルA面楽曲の全てを作詞作曲していましたが、2010年代になって他のメンバーの作品もシングルの顔を飾るようになりました。
変化を続ける『GLAY』の今後がこれからも楽しみですね。
今回は、『GLAY』のアルバム『BEAT out!』のレビューです。
※『GLAY』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/GLAY
目次
『BEAT out!』の全体概要
アーティスト | GLAY |
アルバム名 | BEAT out! |
発売日 | 1996/2/7 |
収録曲数 | 11 |
演奏時間 | 56:41 |
メジャー2ndアルバム。
『GLAY』がシングル、アルバムを通じて初めてオリコンチャートで1位を獲得した作品です。
演奏時間はトータルで56:41。京浜東北線で、東京・新杉田間くらいの時間です。
レビュー
『BEAT out!』の収録曲別お気に入り度
各収録曲のお気に入り度はこんな感じです。
# | 曲名 | お気に入り度 | |
1 | More than Love | ★★★★☆ | 4 |
2 | Yes, Summerdays | ★★★★☆ | 4 |
3 | 原色の空<Cloudy Sky> | ★★★★☆ | 4 |
4 | Trouble On Monday | ★★★★☆ | 4 |
5 | Together | ★★★☆☆ | 3 |
6 | 月に祈る | ★★★★☆ | 4 |
7 | 生きてく強さ | ★★★★☆ | 4 |
8 | 週末のBaby talk | ★★★☆☆ | 3 |
9 | グロリアス | ★★★★☆ | 4 |
10 | 軌跡の果て | ★★★★☆ | 4 |
11 | Miki Piano | ★★★★☆ | 4 |
ドハマりする楽曲は無いものの、捨て曲が無いバランスの取れた並びという印象。
※『BEAT out!』収録曲ごとの個別楽曲レビューもしています。こちらからどうぞ。
『BEAT out!』全体の感想
長らくドラマーが定着しなかった『GLAY』。
インディーズアルバム『灰とダイヤモンド』、メジャー1stアルバム『SPEED POP』にはそれぞれ別のドラマーが入れ替わりながらもメンバーにおり、なんとか5人バンドとしてやってきましたが、本作『BEAT out!』でとうとうドラマー“永井利光”と邂逅。
永井利光はサポートメンバーという形で『GLAY』と携わることになり、現在まで続く4人の『GLAY』+永井利光という最強の布陣が完成しました。
『BEAT out!』という本アルバムの名前も、収録楽曲に沿った命名がされているとは思いますが、上述の経緯を考えると、“やっと最高のドラマーに出会えた”というメンバーの喜びが込められているんじゃないかな、なんて思ったりもします。
さて、アルバム『BEAT out!』の内容ですが、気持ちいい8ビートとキャッチーな歌メロが組み合わさった、非常に『GLAY』らしい楽曲が多数収録されています。
特に、#1 『More than Love』~#3 『原色の空<Cloudy Sky>』の流れは最高のスタートダッシュ。このアルバムの一番オイシイ部分のように思います。
一方で、楽曲単位で見ると、後世まで残る名曲というのは少ないかな、という印象。
アルバムが出揃った後にリリースされたベストアルバム『DRIVE-GLAY complete BEST』や『THE GREAT VACATION VOL.2 〜SUPER BEST OF GLAY〜』には本作『BEAT out!』のアルバム曲が一つも収録されていません。
本作『BEAT out!』が世に出た当時は#5 『Together』や#10 『軌跡の果て』が名作という扱いだったのでしょうが、スローバラードや成功者ゆえの苦悩系路線についてはさらに強烈な名作が後のアルバムで生まれてしまったため、残念ながら埋もれていってしまったのでしょう。
ただ、普通のバンドなら、こんなにもキャッチーな楽曲で埋め尽くされた本作『BEAT out!』は名盤扱いになるはずです。
それでも『GLAY』の作品の中で本作『BEAT out!』の影が薄い印象があるのは、それだけ『GLAY』が恐ろしいモンスターバンドであることの証左なのではないでしょうか。
『BEAT out!』収録曲の個別楽曲レビューリンク
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