宗教的なカリスマ性と中毒性のある歌詞・サウンドで多大な信者を生み出したバンド『PIERROT』。
アンダーグラウンドで知的で過激。当時の10代リスナーはある種の選民思想を抱きながら『PIERROT』の楽曲に耳を傾けていたのではないでしょうか。”『PIERROT』を聴かないなんて周りはわかってないなぁ”って。
…それは後の世で中二病と呼ばれるわけですが…。
今回は、『PIERROT』のミニアルバム、『CELLULOID』のレビューです。
※『PIERROT』に関するその他のアルバム/個別楽曲レビューはこちらからどうぞ: アーティスト索引/PIERROT
目次
『CELLULOID』の全体概要
アーティスト | PIERROT |
アルバム名 | CELLULOID |
発売日 | 1997/9/3 |
収録曲数 | 6 |
演奏時間 | 29:42 |
『PIERROT』インディーズ時代のミニアルバム。
演奏時間は29:42。山手線で、東京・新大久保くらいの時間です。
レビュー
『CELLULOID』の収録曲別お気に入り度
各収録曲のお気に入り度はこんな感じです。
# | 曲名 | お気に入り度 | |
1 | セルロイド | ★★★★★ | 5 |
2 | Adolf | ★★★★★ | 5 |
3 | 脳内モルヒネ | ★★★★★ | 5 |
4 | Twelve | ★★★★☆ | 4 |
5 | 鬼と桜 | ★★★★★ | 5 |
6 | HUMAN GATE | ★★★★☆ | 4 |
飛ばしたいと思う曲が1曲もありません。隙の無い構成。
アルバム『CELLULOID』収録曲の半数は『DICTATORS CIRCUS -奇術的旋律-』に再録されています。
※『CELLULOID』収録曲ごとの個別楽曲レビューもしています。こちらからどうぞ。
『CELLULOID』全体の感想
奇作『パンドラの匣』に続く、『PIERROT』インディーズ時代のアルバム『CELLULOID』。
既存の枠にとらわれずに幅広いテーマを扱う歌詞と変態的なバンドアレンジは健在な上、音質が前作『パンドラの匣』に比べて格段に良くなっています。
ミニアルバムということで本作『CELLULOID』の収録曲数は少な目ですが、密度という点では『パンドラの匣』を上回る内容になっているのではないでしょうか。
名曲だらけの本作『CELLULOID』ですが、目玉作品はやはり#3 『脳内モルヒネ』でしょう。見たものの目を奪うその奇怪な曲名通り、非常に中毒性のある個性的な楽曲に仕上がっています。いやはや、こんなに気持ちの悪いギターシンセの音って出せるんですね…(褒め言葉)。
本作『CELLULOID』、リリースから既に20年以上が経過した作品ですが、全然古臭い印象はありません。
『PIERROT』というバンドの放つ個性が、時代の流れに対して何の干渉もされず、今でもただただここにある。そんな唯一無二のアルバムです。
『CELLULOID』収録曲の個別楽曲レビューリンク
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